「お伝えしておきました」

「……うん、ありがと」

強者となるため、他者を食らう。

それが自然の摂理であり、人間もそこからは逃れられない。

もちろん、僕たちだってそうだ。

だから、こうして牙を研いでいる。

「これからも、続けるんだよね?」

「はい。それが僕の使命であり、生きる目的ですから」

「……そっか」

「詠さんにも、手伝って頂きます」

「うん、わかってるよ」

そして牙を研ぐため、僕は探し続ける。

強い感情の渦巻く先を。

【小夜】

【詠】





【詠】

【小夜】

【詠】

【小夜】

【詠】

「さぁ、行きましょうか」

差し伸べるこの手は、天使の救いか。

悪魔の誘いか。

どちらであれ、それは僕が決めることじゃない。

けれど、彼女にとっては恐らく―――

「……うん。行こう」

だから。

世界は、人は、狂っているんだ。

【小夜】





【詠】

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